ドッグトレーナーの資格について
2016.12.13
ドッグトレーナーを目指す人にとって、資格は気になるものです。
日本においては、ドッグトレーナーの資格は国家資格ではありません。
しかし、以下の三つの社団法人が発給しているドッグトレーナーの資格は国家資格に準ずるものと考えられます。
皆様もよくご存知のジャパンケネルクラブ(JKC)、
ジャーマンシェパードのみを対象としている日本シェパード犬登
録協会(JSV)
7犬種のみを対象としている日本警察犬協会(NPD)
以上3つの社団法人のドッグトレーナー資格です。
それぞれ歴史と伝統がある団体で、ドッグトレーナーの認定資格発給も半世紀以上の実績があります。
それに対し、現在では民間の団体により独自の基準に基づいたトレーナー資格を発給している所も多くあります。
専門学校が発給する資格もこれらと同じように、各学校の基準に基づいた独自のもので、先に述べた3つの社団法人のものとは異なります。
ここで、 皆様に聞かれることの多い3つの社団法人の公認資格を取得する方法を簡単にご説明いたします。
先ずは、それぞれ3団体に属する公認または非公認の訓練所に入所し、知識、技術を約5年間学び、公認訓練資格試験に臨むというのが一般的です。
公認資格の内容は、初等(パピー)訓練から高等訓練まで幅広く多義にわたるもので、それぞれが一定の基準を満たしていなければならなりません。
さらにJKC、JSV ともに資格の中にも等級があり、上級になる程、実技、筆記試験ともに難度が上がります。
特に実技では訓練実績頭数が定められ、例えばJKCは3回以上の競技会出場が義務付けられています。
とにかく資格を得る為には、相当の訓練実績をあげなければならず、ほぼ犬漬けの生活でようやく試験に臨めます。しかし先の3団体に直接受験を申し込むことはできません。
JKC で言うなら、訓練士協議会の承認を得る必要があるのです。全国のブロックごとにある訓練士の代表で構成されている訓練士協議会が受験の窓口になっているのを知らずに、直にJKCに申し込めると思ってしまう方がいらっしゃいます。この点がよく誤解されるところです。
先ずは公認訓練の所長の推薦を得、更にブロック長の承認を得て初めて受験が出来、合格すれば晴れて公認訓練士となれるのです。
私もこのようにして、JKCの訓練範士とJSVの訓練士資格を得ました。
これに対し、民間の団体で発給されている資格は、ペットドッグに特化しているものが多く、短期で学び取得出来きるというものが殆どで、その指導内容も発給基準も独自で様々です。
私が校長を務めるアワーウエイも民間団体ですから、独自の基準で指導し資格発給を行っていますが、学科実技ともに他とは一線を画していると自負しております。アワーウエイでは、私が基礎から高騰訓練まで学び、得たものの中から本当に必要で重要なポイントのみを抜粋し提供し、技術面での指導も行っています。
短期とは言え、実践で本当に使える本物に裏打ちされた知識技術を学んでこそドッグトレーナーの資格を得たと言えるのではないでしょうか。
以上ドッグトレーナーの資格についてお話ししました。
英国式ドッグトレーニング
2016.12.12
英国式ドッグトレーニングって、日本で一般的に行われているトレーニングと、どこが違うんですか?
「スワレ」や「フセ」って英国式ではどうやるんですか?
こんな質問をよく受けます。
そこで、今回は英国式ドッグトレーニングについてお話しします。
でもその前に、なぜ私がペットドッグのトレーニングなら、英国式が一番と思う様になったのか?から始めましょう。
私の犬好きの原点は、父の飼っていたシェパードにあります。
幼い頃からシェパードが身近かにいたから、今もってシェパードは大好きです。
私が最初に本格的にドッグトレーニングを学んだのは日本ですが、その後ドイツやアメリカでドッグトレーニングを学びました。
シェパードだけでなく、ドーベルマンやロッドワイラーなど屈強な犬達との訓練が中心で、ガードドッグ又は高等訓練という、犬も人も集中を要する高度な訓練を犬達と一緒に楽しむというものでした。
そんななか、従兄の住む英国を訪問した折、英国のドッグトレーニングの様子を見る機会がありました。
夕食後の7時、様々な人々が教会に集まり、教会の集会所のなかで
しつけ教室が始まったのです。
当時は、アメリカでもしつけ教室は屋外というのが当然の時代に、なんと教会のなかで行われるという事に、強い衝撃を受けました。
犬の躾がこんなにも地域の中で重要視され、躾の大切さを理解されているのかとの思いからです。
さらに英国の著名なドッグトレーナーのトレーニングの仕方や、一般家庭で飼われている犬の様子に、英国の犬との生活を垣間見ることが出来、すっかり英国式ドッグトレーニングの虜になってしまったのです。
かつて日本では、外に小屋をあてがい鎖に繋いで飼うのが犬の一般的な飼い方でした。
トレーニングと言えば、余裕のある人が、犬を4カ月から半年訓練所に預けプロに一任するというのが殆どでした。
私が渡英した当時、ようやく日本でも犬を家庭内で飼う人々が増えて来ましたが、躾までとはいかない時代でした。
そんな折に見た英国での光景が、私に英国式ペットドッグトレーニングを日本にも広めようと思わせたきっかけとなったのです。
家庭犬の躾がこの様に普通の人々の間で大切なことだと認識され、犬が家族の一員として家庭の中で飼われ、外出時にも安心して連れ出せるようにしっかりとマナーを身に付けさせる。
それも、犬に無理強いするのでなく、犬に考えさせながらマナーを学んでもらう、これが英国式トレーニングの真髄でしょう。
さて、ここで最初に書いた質問の答えに行きましょう。
英国式ドッグトレーニングの「スワレ」や「フセ」が一般的な日本のやり方と違うと言うのではなく、犬の躾に対する考え方に特徴があるのです。
それは犬の躾において、英国式で最も大切とされているのは、落ち着いた、穏やかな犬になってもらうこと。
元気のない犬というのではありません。
遊ぶ時には元気いっぱい、でもいったん室内や公共の場ではしっかりマナーが守れる犬という意味です。
これが英国の犬の姿であり、私の目指す英国式ドッグトレーニングの基本なのです。
機会があったら、是非アワーウエイの英国式ドッグトレーニングツアーに参加して下さい。実際に英国の家庭で飼われている犬達、そして飼い主さん達と一緒に基本トレーニングやガンドッグ、アジリティーを体験出来ます。日本のワンちゃん達の様にやんちゃな子もいれば大人しい子もいます。でも飼い主さん達は皆トレーニングの必要性を感じ長くトレーニングに通い、わんちゃん達と一緒にトレーニングを楽しんでいる、そんな姿を見ることができるでしょう。