英国の夏はゲームフェアで決まり‼︎   Vol 1

2017.02.28

夏に英国に行く機会があったら、ゲームフェアは外せません。

冬場寒い上に小雨が降り、ジメジメしてちょっと陰気な雰囲気の英国では、夏は反対に午後8:00過ぎまで明るく、湿気の多い日本と違い、ほどよい気候で、皆思い思いに夏の日を楽しんでいます。

そんな英国の夏には、犬好きの為にあちこちのカントリーサイドでゲームフェアが開催されます。
ロンドン等の結構遠くの都会に住んでいる人々も犬を連れて出掛けて行き、1日楽しく過ごします。

ゲームフェアは、カントリーサイドの広いフィールドで行われます。
大きいゲームフェアとなると2日間にわたることもあり、ブレナム宮殿のような素晴らしい場所で行われる事さえもあるのです。
ブレナム宮殿と言えば、ご存知の様に英国の元首相チャーチルの生家で、世界遺産にも登録されています。
その庭も大変に素晴らしいもので、日本人の私からすれば、そんな素晴らしい庭で犬のイベントが出来るなんて、羨ましいかぎりです。


上の写真はゲームフェアで出会った少年。

兎に角、会場はどこも広く、まず目につくのが沢山のテントです。
ドッグフードの各メーカー、犬の保険会社、犬のグッズ、装飾用の犬の絵や写真、カントリーウエアー等の洋服、この様な販売ブースがずらりと並んでいるのです。
色々見て回るだけでも楽しく、皆犬連れでショッピングを満喫しています。
レストランも何軒もあり、食事も楽しめます。

そんなテントの中で一つ目を引くテントがありました。
まるでモンゴルで見られる様な遊牧民の丸い大きなグリーンのテントでした。
テントの入口には、タキシード姿のボーイが立っていました。
中を見せて貰うと、クロスを掛けフォーマルにセッティングされた綺麗なテーブルが並んでいました。
ここが犬のイベント会場という事を忘れてしまう様な空間に、いったいここは何なのかと、連れのトレーナーに尋ねていると、フォーマルな服装で蝶ネクタイを締め杖をついた一人の老人が入って来ました。
トレーナーの説明では、そこは裕福な方々がメンバーのプライベートの高級なクラブハウスで、勿論、利用できるのもメンバーのみなのだそうです。
犬のイベント会場とは思えないフォーマルなテーブルセッティングと、これまた利用するメンバーの方達のフォーマルな服装とに、” 伝統と格式の国、英国 “を感じ只々驚くばかりでした。

その他 会場には仮設の銀行もあり、そんなにお金を必要とする事もないのに何故なかと思いました。
皆、この時とばかりに買い物をするのでしょうか?
車のメーカーも2、3社出展していて、車種もさすがに犬との生活という事で、展示されている車も、乗用車ではなくSUV車やワゴン車などでした。

ゲームの賞品コーナーには、日本のSUV車がよく飾ってあります。
賞品として出されるのです。
英国の犬のイベントに協賛するのは、宣伝になるのでしょうか?
日本の犬のイベントでSUV車がもらえるなんて事は、残念ながら今の所考えられませんよね。

今回はゲームフェアのアウトラインをお話ししました。
次回は肝心のゲームについて詳しくお話しします。
ご期待ください。

英国で人気の  “スカリー ” を知ってますか?

2017.02.21

英国で、アウトドアライフ好きなら、誰でも知っている雑誌に「カントリーライフ」というのがあります。
特に犬の雑誌というわけではないのですが、その記事に良く特集されているのが、スカリーです。
スカリーは以前に書いた私のブログ (http://wp.me/p7Q90G-2J) で、素敵な写真と共に内容について説明していますので是非ご覧いただきたいと思います。

簡単に言うなら、ガンドッグとスカリーの違いは、獲物がダミーであるかないかということです。
スカリーの獲物はフェイク、それに対しガンドッグは捕獲する獲物は本物の野生の動物や鳥です。
勿論ガンドッグのトレーニング時はダミーを利用しますが。

スカリーに参加するのは、郊外で行われるので、郊外で生活している方や別荘を郊外に持っている方が多いようです。
都市に住む方は参加したくてもトレーニングに思うように参加できないからなのでしょう。

スカリーは森の中、丘陵地のアップダウン、湖、川、ブッシュ等、英国の自然を思い切り利用したものです。
ダミーはエアーガンで、かなり遠くへ飛ばされます。
犬達はそんな自然の中を遠く飛ばされたダミーを探して、あちこち走りまわるのです。
犬には狩猟本能があり、ダミーではあっても獲物を探し回るという行為が大好きなのです。
飼い主は犬と共に野山や森を超え獲物を探し回り、ついに犬はダミーを見つけ出し捕獲し、意気揚々として飼い主の元へくわえてもどります。
ほらどうですか僕の腕前は?
誇らしそうな犬の様子
飼い主は自分の犬を褒め、犬は達成感を味わう。
犬と共に自然を満喫する、スカリーの醍醐味なのです。

犬種はガンドッグの場合にはポインターやセッターが中心ですが、スカリーはリトリバー犬種が多いのです。
でも最近はワーキングコッカスパニエルが主流となっています。
今や、スカリーの競技会ではこのワーキングコッカスパニエルの活躍が俄然目立ち、ラブやゴールデンを凌ぐ勢いです。
又、湖や川が入る競技では、ラブやゴールデンの出番は少なく、会場の犬がフラットコートリトリバーばかりとなることも多く、フラットのブラックカラーの一色となってしまうこともあります。
フラットの得意分野は泳ぎだということを再確認させられます。

兎に角このスカリーを見て一番感じたのは、いかに英国の犬達が犬本来の欲求を満足させながら、たくましくそして自然を満喫しながら生活出来る環境に生きているかと言う事です。
そして驚きと羨ましさを覚えました。
   
スカリーの出来る英国のこの環境は、日本ではなかなか得ることができません。
日本ではまだまだ犬に許可されている場所は少なく、スカリーの醍醐味を味わえる環境は、犬と犬を愛する飼い主の皆様に開かれていないのです。
ぜひ日本にもこの様な場所が出来ることを期待してやみません。

ワンチャンの所有欲とその対処法

2017.02.14

あなたのワンちゃんは、くわえた靴下をすぐに返してくれますか?

ドッグスクールで多く相談される事の一つです。
「ワンちゃんがくわえた物を返してくれないんです、無理に取ろうとすると、ウーと威嚇されるので、噛み付かれるんじゃないかと思い困っています。」

犬は、その辺にあった靴下やスリッパを見つけ出し、くわえて遊ぶのが大好き!
庭でコソコソしているなあと思ったら、落ちていたバーベキューで使った竹串を美味しそうにしゃぶっている!
せっかくボール投げで遊ぼうとしているのに、ボールを取りに行ってくわえたら、戻ってこないでそのまんま知らん顔!

ワンちゃんにとっては、魅力的なものばかり。
タレの染みた竹串、大好きなボール、あなたの匂いの付いた靴下。
特に危険な物や大事なものはすぐに取り上げたいのに、聞く耳を持ってくれず、取られまいと、逃げ回ったり、威嚇してきたり、もっと深刻になると噛み付くことさえあります。


飼い主さんが自分の愛犬への問題の対処と、トレーナー修行中の方が自分の犬以外の犬へ、くわえているボール等を「離せ」というコマンドを出したのに、聞き入れてくれないケース、その対処法をそれぞれ分けて考えてみましょう。

飼い主さんとその愛犬の場合は、こんなことが起こるのは、基本的な主従関係が確立されていないからだと言えるでしょう。
オビーディエンス(服従訓練)が出来ていないので、あなたの愛犬があなたの言う事を聞かないのです。
くわえたものを離さないという事の前に、くわえて逃げ回る犬や、戻ってこない犬はまず、呼ばれたら戻って来ると言うオビーディエンスをトレーニングする必要があります。
そして、くわえたものを離さないと言うのは、彼らの大好きな物を手に入れたのだから、渡したくない、取られたくないという気持ちが出てくる為、素直に飼い主の言った事を受け入れたくないのです。

これに対処するには、主従関係をはっきりさせ、強化する必要があるのです。
まずは愛犬に対し、戻しなさいと命令します。
1度言っても返さなかったら、2度目をしっかりときつく命令します。
この2度目が最も重要な意味を持ちます。
躊躇せずに犬がハッキリわかるよう命令する事が肝心です。
互いに信頼関係があり、可愛がっているからこそ強く出来るのです。
何が何でも口にくわえている物を離させるという強い気持ちと気迫を持って、愛犬に命令しなくてはいけないのです。
そうでなければ愛犬は遊びのゾーンに入り、返さないで逃げまわった挙句、取ろうとした主人に向かって威嚇したりするようになり、家庭内で支配性を強めていってしまいます。

一般の飼主さんにとっては犬に強く命令する事は大変かもしれませんが、是非頑張って欲しいのです。
どうしても出来ない時は、おやつと交換で、くわえたものを離してもらうという方法もありますが、これもなかなか難しいでしょう。

これらを試しても言う事を聞かず、愛犬が威嚇をしたり噛もうとしてきたら、その時はすぐプロに任せなければなりません。

さて次は、ドッグトレーニング修行中のうちの生徒さん達が困っている事です。
犬と一緒にトレーニングし、うまくできたなあと思いながら「次はご褒美だよ」とボールをくわえさせてあげると、さあ今度は「ボールを返して」と言っても犬はボールをくわえたまま頑として離さない。
何度「出して」と言っても出さない。
こんな膠着状態が何分も続いている。
そんな時生徒さん達は、「トレーニングの時はキチンと指示を聞いてくれていたのに、ボールとなると、なんで言う事を聞いてくれないの」と自分の力量不足や、まだまだ犬に認められていないのだとの思いからガッカリしているようです。
私は生徒さん達のそんな困った様子を何度も見かけたことがあります。

なにしろ「自分のご主人なら言うことを聞くけど、他人なら大好きなボールは返すの嫌だよ」という犬は多く、自分の主人と他人との力関係の違いを、犬は瞬時に見分けてしまうからなのです。
「よく知らない人には命令されたくないよ」との思いが強いのでしょう。
こんな場合は、犬とのコミニケーション不足が原因の一つだと思って下さい。
犬はいきなり親しくない人から何か命令されるのが大嫌いなのです。
犬と良い関係を充分に築きながら、自分を認めてもらうようにしていく事が大切なのです。

次回もまた引き続き、ワンチャンと良い関係を保つうえで、解決したい問題についてお話ししましょう。

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