あなたの知らないシェパードの可能性

2017.01.17

シェパードについてあなたはどの位知っていますか?

警察犬、救助犬、警備犬等の使役犬でしょう!
シェパード =  訓練士 、荒っぽい犬 でペット犬じゃないよね!

こんな答えが返ってくるのではないでしょうか?

そこで今回はそんなイメージを持たれ、日本のペット犬ランキング35位とちょっと不名誉な数字を頂きながらも、けなげに頑張っているシェパード犬について皆様のイメージを変えようとお話しします。

実はシェパードは、全世界ではペットとして、最も人気のある犬種の一つなのです。

そして最も人間に貢献している犬なのです。

まずはシェパードが原産国のドイツ以外の世界にも知られるきっかけとなった歴史から話しましょう。

現在60代以降の方ならご存知の方も多いと思いますが、1950年代後半に日本でも放送されていた「名犬リンティンティン」というアメリカの人気テレビドラマがありました。

これは当時放映されていた「名犬ラッシー」と同様に、少年と犬の絆を描いたドラマでした。

どちらも、当時の日本では大ヒットでした。

こうして日本でもシェパードは、知られるようになったのです。

実際の「リンティンティン」は第一次世界大戦後のフランス・ロレーヌ地方で生まれ、1919年一人のアメリカ人により彼の帰国とともにアメリカに連れていかれそこで育ちました。

そして20本以上の映画に出演し、ワーナーブラザースを救ったとも言われた犬でした。

アカデミー賞のノミネートも考えられたそうですが、対象は人間のみということでそれは無かったそうです。

話は戻りますが、1925年ドイツで訓練を受けた盲導犬第一号として「ラックス」という名の犬が登場、同時期にヘレン・ケラーも、こちらはアメリカで訓練を受けた盲導犬を入手しました。

シェパードはこのように盲導犬として初めて訓練され、使用された犬でした。

その後、第二次世界大戦時、ヨーロッパの国々ではシェパードのその素晴らしい特性故に軍用犬として用いられるようになりました。

軍用犬としての役割と言っても多義に渡ったそうです。

ヒットラーがこの犬種を好んだことは知られていますが、そのことでシェパードの人気や評判は決して落ちませんでした。

シェパードはその後も欧米では高い人気を維持し続けました。

そんな中の1899年、WUSV ( ドイツ ジャーマンシェパード犬協会 )が設立されました。

これは人気の高い犬種の持つ気質、体型、健康を維持していく為で、不適切な交配や繁殖を無くし、犬の王者と言われるシェパードの犬種の持つ品格と特性を保つのが目的でした。

こうしてシェパードはその勇敢な気質、優れた運動能力を利用して、警察犬、軍用犬、捜査救助犬、麻薬探知犬等の多義にわたる場面での活躍を期待され、WUSVは繁殖及び改良の維持管理に努めていったのです。

この様に世界的にも大きな組織を持つ協会は、他の犬種ではありません。

日本でも1948年に農林水産省の管轄下において、WUSVの日本支部JSV( 日本シェパード犬登録協会)が組織されました。

1950年代後半の「名犬リンティンティン」や「名犬ラッシー」が流行っていた時代、小学生だった私は家族とともに九州に住んでいました。

父が犬好きで、シェパードを飼っていました。

私は子供心に、シェパード犬を持っていることが嬉しく、自慢でした。

私達家族の様にシェパードをペットとして飼う方もいましたが、シェパードの持つ優れた特性は日本でも警察犬として珍重されることも多く、訓練士たちは家庭犬の躾けと共に、シェパードの警察犬への指導育成も行いました。

こうして日本では、ペットと言うより、シェパード = 警察犬としてのイメージが定着して行ったのでしょう。

これが大まかなシェパード犬の歴史です。

次回はシェパードが犬として最高の能力を持つと言われる所以とペット犬としての適性についてお話しします。

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