英国の夏はゲームフェアで決まり‼︎ Vol 2
2017.03.07
初めてゲームフェアを見に行ったのは、もう随分前の事ですが、英国で最初に知り合ったドッグトレーナー、フィリッパ ・ウイリアムスとでした。
英国にはこんな風に犬と楽しめる場所があるのかと感心した事を今でも覚えています。
その後は、ジョン・アンクル や アラン・メンジーズ 、ローランド等のドッグトレーナー達と色々なゲームフェアへ出掛け、沢山のゲームを見ました。
その中で私が見た最も興味深かった2つのゲームについお話ししましょう。
ー 鷹とジャックラッセルの兎の取り合い競争 ー
ゲームフェアで良く見かけるもので、昼休みの間に行われることが多い様です。
ルールは、獲物の兎のダミーを鷹とジャックラッセルが競り合い、奪った方が勝ちとなるゲームです。
ダミーの兎はワイヤーでフィールド内を引っ張られて動いていきます。それを鷹は上空から狙い、ジャックラッセルは地上で追いかけます。
上空で旋回している鷹の動きは目視でもわかります。
この鷹との競争に参加するハンドラー犬はジャックラッセルが多く、この犬種の狩猟本能と筋肉質であり、エネルギッシュで機敏な動きがこの競技に適しているからでしょう。
初めてこの競技を見た時、犬の方が絶対有利だと思いましたが、実際は犬は鳥に全くかないませんでした。
距離から言って、獲物をゆっくり旋回している上空から狙うのと、地上でダミーのすぐ後ろを走って追いかけているのとでは、俄然地上の方が有利だとは思いませんか?
でもこの競技は何度見ても、全て鳥の勝ちでした。
鷹は上空から犬とダミーの動きをじっと見つめているのです。
そして、まさに犬がダミーに飛びつく寸前に、瞬く間に低空飛行に移り、瞬時に獲物をさらって行くのです。
その鷹のスピードと言ったら、表現のしようもありません。
私の目はその鷹の素晴らしい動きと迫力に釘ずけで、只々驚くばかりでした。
次回は印象に残ったもう一つのゲーム ” オールブリード・リトリーブ競争 ” についてお話しします。
さて、どの犬種が一番早かったでしょう!
英国の夏はゲームフェアで決まり‼︎ Vol 1
2017.02.28
夏に英国に行く機会があったら、ゲームフェアは外せません。
冬場寒い上に小雨が降り、ジメジメしてちょっと陰気な雰囲気の英国では、夏は反対に午後8:00過ぎまで明るく、湿気の多い日本と違い、ほどよい気候で、皆思い思いに夏の日を楽しんでいます。
そんな英国の夏には、犬好きの為にあちこちのカントリーサイドでゲームフェアが開催されます。
ロンドン等の結構遠くの都会に住んでいる人々も犬を連れて出掛けて行き、1日楽しく過ごします。
ゲームフェアは、カントリーサイドの広いフィールドで行われます。
大きいゲームフェアとなると2日間にわたることもあり、ブレナム宮殿のような素晴らしい場所で行われる事さえもあるのです。
ブレナム宮殿と言えば、ご存知の様に英国の元首相チャーチルの生家で、世界遺産にも登録されています。
その庭も大変に素晴らしいもので、日本人の私からすれば、そんな素晴らしい庭で犬のイベントが出来るなんて、羨ましいかぎりです。
上の写真はゲームフェアで出会った少年。
兎に角、会場はどこも広く、まず目につくのが沢山のテントです。
ドッグフードの各メーカー、犬の保険会社、犬のグッズ、装飾用の犬の絵や写真、カントリーウエアー等の洋服、この様な販売ブースがずらりと並んでいるのです。
色々見て回るだけでも楽しく、皆犬連れでショッピングを満喫しています。
レストランも何軒もあり、食事も楽しめます。
そんなテントの中で一つ目を引くテントがありました。
まるでモンゴルで見られる様な遊牧民の丸い大きなグリーンのテントでした。
テントの入口には、タキシード姿のボーイが立っていました。
中を見せて貰うと、クロスを掛けフォーマルにセッティングされた綺麗なテーブルが並んでいました。
ここが犬のイベント会場という事を忘れてしまう様な空間に、いったいここは何なのかと、連れのトレーナーに尋ねていると、フォーマルな服装で蝶ネクタイを締め杖をついた一人の老人が入って来ました。
トレーナーの説明では、そこは裕福な方々がメンバーのプライベートの高級なクラブハウスで、勿論、利用できるのもメンバーのみなのだそうです。
犬のイベント会場とは思えないフォーマルなテーブルセッティングと、これまた利用するメンバーの方達のフォーマルな服装とに、” 伝統と格式の国、英国 “を感じ只々驚くばかりでした。
その他 会場には仮設の銀行もあり、そんなにお金を必要とする事もないのに何故なかと思いました。
皆、この時とばかりに買い物をするのでしょうか?
車のメーカーも2、3社出展していて、車種もさすがに犬との生活という事で、展示されている車も、乗用車ではなくSUV車やワゴン車などでした。
ゲームの賞品コーナーには、日本のSUV車がよく飾ってあります。
賞品として出されるのです。
英国の犬のイベントに協賛するのは、宣伝になるのでしょうか?
日本の犬のイベントでSUV車がもらえるなんて事は、残念ながら今の所考えられませんよね。
今回はゲームフェアのアウトラインをお話ししました。
次回は肝心のゲームについて詳しくお話しします。
ご期待ください。
英国で人気の “スカリー ” を知ってますか?
2017.02.21
英国で、アウトドアライフ好きなら、誰でも知っている雑誌に「カントリーライフ」というのがあります。
特に犬の雑誌というわけではないのですが、その記事に良く特集されているのが、スカリーです。
スカリーは以前に書いた私のブログ (http://wp.me/p7Q90G-2J) で、素敵な写真と共に内容について説明していますので是非ご覧いただきたいと思います。
簡単に言うなら、ガンドッグとスカリーの違いは、獲物がダミーであるかないかということです。
スカリーの獲物はフェイク、それに対しガンドッグは捕獲する獲物は本物の野生の動物や鳥です。
勿論ガンドッグのトレーニング時はダミーを利用しますが。
スカリーに参加するのは、郊外で行われるので、郊外で生活している方や別荘を郊外に持っている方が多いようです。
都市に住む方は参加したくてもトレーニングに思うように参加できないからなのでしょう。
スカリーは森の中、丘陵地のアップダウン、湖、川、ブッシュ等、英国の自然を思い切り利用したものです。
ダミーはエアーガンで、かなり遠くへ飛ばされます。
犬達はそんな自然の中を遠く飛ばされたダミーを探して、あちこち走りまわるのです。
犬には狩猟本能があり、ダミーではあっても獲物を探し回るという行為が大好きなのです。
飼い主は犬と共に野山や森を超え獲物を探し回り、ついに犬はダミーを見つけ出し捕獲し、意気揚々として飼い主の元へくわえてもどります。
ほらどうですか僕の腕前は?
誇らしそうな犬の様子
飼い主は自分の犬を褒め、犬は達成感を味わう。
犬と共に自然を満喫する、スカリーの醍醐味なのです。
犬種はガンドッグの場合にはポインターやセッターが中心ですが、スカリーはリトリバー犬種が多いのです。
でも最近はワーキングコッカスパニエルが主流となっています。
今や、スカリーの競技会ではこのワーキングコッカスパニエルの活躍が俄然目立ち、ラブやゴールデンを凌ぐ勢いです。
又、湖や川が入る競技では、ラブやゴールデンの出番は少なく、会場の犬がフラットコートリトリバーばかりとなることも多く、フラットのブラックカラーの一色となってしまうこともあります。
フラットの得意分野は泳ぎだということを再確認させられます。
兎に角このスカリーを見て一番感じたのは、いかに英国の犬達が犬本来の欲求を満足させながら、たくましくそして自然を満喫しながら生活出来る環境に生きているかと言う事です。
そして驚きと羨ましさを覚えました。
スカリーの出来る英国のこの環境は、日本ではなかなか得ることができません。
日本ではまだまだ犬に許可されている場所は少なく、スカリーの醍醐味を味わえる環境は、犬と犬を愛する飼い主の皆様に開かれていないのです。
ぜひ日本にもこの様な場所が出来ることを期待してやみません。